じわり、と視界が滲む。 凍り付いていたものが、いっきに溶け出していくみたいに 溢れて、止まらない。 …そうしてまた こんなときに、思い浮かぶのは やっぱり、あの場所で。 −来たくなったら、連絡しろ− ……私は、震える指で、握っていたケータイを開いた。