思わず、くしゃり、と顔が歪んでしまう。 ……ああ これでは、駄目なのに。 佐伯琢磨は、そんな私の顔を見ると大きく目を見開き、すぐに、真っ直ぐに手を上げて 黒板にチョークを走らせていた岩村先生に、声をかけた。 「先生、伊上が気分が悪いそうです」