今までだって いじめ、というほどでは無くても、小さな嫌がらせみたいなことはされてきた。 成績が上がれば上がるだけ、それについての陰口も耳にすることが多くなった。 …だから、別に 「優秀者」の私についての さっきの、ことだって−……。 −その時、ふわりと肩に温かいものが乗った。 見ると、そこにあったのは、隣に座る、佐伯琢磨の大きな掌で。 「どうした?…気分悪いのか」 突然降って来たその声に、 胸の奥で 小さな、小さな 悲鳴があがった。