授業に集中することもできずに、私は只、ノートをとる振りをして時間をやりすごしていた。 耳に流れ込んでくる、少ししゃがれた、岩村先生の声。 カリカリと、紙の上を鉛筆やシャーペンの先が走る音。 ずらりと並んだ、同じ格好、同じ世代の、男の子と、女の子。 乱れる事なく同じ流れにそって流れていく。 見慣れた、風景。 ……ここには、ルールがある。 .