「おーいっ!」

 再び声を上げると、そのバイクはホイールの回転を止め、ハザードランプを点滅させた。

(間違いない)

 失ってばかりの今日一日に、再び得るものが現れたのだ。思わずこみ上げるもので目頭を熱くさせた。

「あさきちっ!」

「やっぱりあんたか」

 誰もいない漆黒の高速道路で、奇跡の再会が果たされた。

「死んだんじゃなかったのかよ!」

 バイクを降りてまずその言葉が口から出た。あの状況で生きていられるはずはない。

「いやあ、あのジャンプしたときによ、飛ぶ角度がズレちまってよ、ほらあそこ門司港方面との分岐点になってるっしょ。あっちの道に入っちゃったのよ」

 なるほどそれで合点がいった。それにしても……。

「心配させんじゃねえよ!」