「あっ,莉琥っっっ!!」
 と言う柚莉の先には,柚李の彼氏の宮本莉琥。
そして隣りには宮本と同じクラスらしい男子2人と・・・。
「秋(アキ)!!」
何で秋が・・・。
何かの手違いでわ・・・。
だって,宮本はうち等と学校違うんだよっっっ!!
なのに如何して同じ学校で,同じクラスの秋が居るの。
「莉琥っっっ!!
 合コンの相手って,灯屋馬(ひやま)かよ・・・」
なんて何時もの様に私を貶してくる。
「まあまあ。
まず自己紹介から!!」
と宮本が仲裁に入り合コン開始。
でも私と秋は「つーん」としている。
「俺は宮本莉琥って知ってるか・・・」
と盛り上げ上手の宮本が言う。
そして次は,宮本の友達・・・。
「俺は岸倉奏大(きしくらそうた)。
 バスケ部よろしくぅー」
と,いかにも軽そうな口振りで言って席に座る。
この頃の私の内心は,「・・・」
「俺は鄙崗了柄(ひなおかりょうへい)。
 サッカー部」
そう言って,やや紳士的な口調で言い席に腰を下ろす。
そして問題の秋。
「桐崗中の藍崎秋(あいざきあき)
 サッカー部」
とこれまた切れ気味口調で言う。
そしてキリットした目でこっちを睨んだ。
「ヤナ奴」と心の中で口杜撰だ。
そしていよいよ私の番。
やれやれと,立ち上がる。
すると・・・。
「こいつは灯屋馬魅樹(ひやまみき)
 桐崗のトップで俺の彼女」
そう秋がいい終えると辺りが静まりかえる。
「・・・」
私も余りにビックリしすぎて言葉が出ない。
「俺らやっぱ帰るわ」
と,秋は私の手をつかみながら言った。
私は言われるままに,席を後にした。