入江涙様。

 って、改まるのはやっぱ何か苦手だな。何て書きゃーいいのか分かんねぇ。言いたい事はたくさんあるのにな。

 とりあえず、ティアの事を。

 話聞いて、正直驚いた。知り合いだったって事も。あんな頼み事をされてたって事も。

 けど、聞けて良かったと思う。ティアは本当に存在していたという事を再確認出来たし、何となく嬉しかった。ティアは俺が思うより孤独ではなかったと知って安心した。

 ありがとな。ティアの傍にいてくれて。俺を見ててくれて。本当にありがとう。

 それから、志望校をN商業に決めたぞ。

 本格的にプロ野球選手を目指そうと思う。あの約束を果たす為に。だからさ、入江も頑張って画家になれよ。

 良かったら、たまには電話でもしてお互い情報交換しないか? このまま別れってのは、なんか寂しいんだ。

 入江に対してのこの気持ちが恋なのかどうかは、はっきりしない。けど、入江は俺の中で大きな存在になってる。

 多分、これが好きになるって事の一歩なんだと思う。そう、勝手に思ってる。

 だからまた会おうな。


 草津海。


*End*


――――――
大切なものを失った後
気力も同時に失ってしまう

もう一度前の自分に戻るには
旧知の協力は必要不可欠

感謝し、感謝される人生を