この世で、芽依の次に大切で大好きなシュウなんだもん。
本当に恥ずかしい。
実は頭から湯気が出てるんじゃないかってほど、顔は熱いし混乱している。
もう、本当に恥ずかしくてその場から動けず、俯いてしまった。
「舞依子?照れてる?」
お腹を手で押さえたシュウが、アタシに優しく問いかける。
「…」
感じでシュウがフッと笑ったのが伝わってきた。
「舞依ちゃん、かっわいー」
いつもなら、ここで言い返せるし拳をお見舞いすることも出来るのに、今はそれが出来ない。
顔を上げる事が出来ないアタシを、シュウは大きな温かい手のひらでグシャグシャにした頭を優しく撫でた。
「好きだよ。」
…なんて、軽く言わないでっ!!
恥ずかしくて、恥ずかしくて恥ずかし死にそう…
「…バカ、知ってるよ…」
それだけ言うのが精一杯。
すると、満足した風のシュウはアタシの手を握り歩き出した。
「ばあちゃん家だろ?」
アタシは「うん」とうなずき、おばあちゃんの家までの短いようで長い距離を手を繋いで歩いた。


