俺はキミの生徒






「今日…なんだよねぇ…」


ソファに座る俺の横に足を抱えて座る加奈さん



『何がですか?』

こんな距離でも加奈さんにドキドキしないのは俺が姉ちゃんみたいに思ってるからなんだろうか。



「慎くん」

この一言で分かった。


そう言えば言ってたっけ。

週末慎って人が来るって。



『来るってことは柚木ちゃんに言ったんですか?』


「まあ…一応、ね。

でも婚約のことはまだ言ってないんだ」


加奈さんは溜め息をつく。



「どうしても言えなくてさ…

今日まで来ちゃった」


ふっと苦しそうに加奈さんは笑う。



『なんとか…なりますよ、きっと。』


俺はこんなことしか言うことができない。


もうちょっといい言葉は見つからないかと思ったが、でも俺にはこんな言葉しか見つけられなかった。


だけど…やっぱりなるようにしかならないから。


頑張って下さい、加奈さん。