――――――― 「アオイ!!」 背後から、そう呼ぶ声が聞こえ、俺は作業の手を止めて振り返った。 そこには、油塗れの顔をごつごつした掌で乱暴に擦りながら、満面の笑みを浮かべているゲンさん。 「昼だ!腹減っただろ?今日は俺が奢ってやる!」 俺はそれに笑顔で応えて、ズンズンと歩いていくゲンさんの背中を追った。 ふと掌を見ると、やはり油塗れで。 でも何故かそれが誇らしかった。 従業員はみんな優しくて、やりがいのある仕事で。 ここに、就職してよかった。 心から、そう思った。