心の、ずっと奥

「サチ!何やってんだよ!」


その声は、激しく動揺しているのか、震えていた。


ちょっと、低い声で聞き慣れた声。


振り向かなくても、私は誰だか分かった。


「何?邪魔しないでよ、太郎。」


今、一番会いたくなかった奴。私は、冷たい言葉で返した。

でも、返ってきた言葉は


「バカ!俺より、長生きするって言ってたのは誰だよ!」


風の冷たい音をバックに、太郎の怒りが込められた言葉が響く。


ドキっと私の心が一瞬…揺れた。