心の、ずっと奥

風の音が、私を包み込んでいくよう。


『バイバイ。』



誰に向けて言ったのか分からない。
自然と、別れの言葉が出てきた。


上靴を脱ぎ、私の立つ横に綺麗に並べて置いた。


踵の部分が、寂しげに折れ曲がっていて、私みたい。


3年間、ありがとう。


踵を踏み続けてゴメンね。


上靴から視線を真っ直ぐ前へ。


そして、私は飛ぼうと、ゆっくり瞳を閉じた。


しかし、突然、背中の方から……