心の、ずっと奥

キリっとした太郎の瞳は、私から離そうとしない。


私も、逸らさないように太郎を睨んだ。


逸らしてしまったら、また太郎に見透かされるような気がしたから。


「逃げてる、サチは逃げてるだけだ!ちゃんと、自分の事を理解してもらおうとか思った事あるか?」



理解をしてもらう?


太郎の言葉に、一瞬怯みそうになった。


でも、私は唇を噛み、睨みつけたまま動揺を内面に隠す。


「おじさんや、おばさんに話した事あるか?二人の子供なんだよ!って。」


顔を赤くして、近くに居る私に向かって大きな声で、言葉を続けていく太郎。


私が悪いの?


なんで?


太郎の言葉を聴いてると、なんだか責められてような気持ちになった。