心の、ずっと奥

私が、笑うと、太郎も笑う。


「バカ?あぁ、俺はバカだよ。」


夕焼け空から射す光のせいか、少し眩しさを感じる太郎の微笑み。


その微笑みが、その光が、私の心に差し込んでいく。


「バカ。太郎のバカ。」



「バカだよ、俺は。」


そう言って、太郎は立ち上がり、ズボンをポンと払った。


そして、私の瞳を真っ直ぐ見て、


「サチ。帰るぞ。」


そう言って、太郎は、私に手を伸ばした。


しかし、私の口から出た言葉は……