心の、ずっと奥

太郎は、黙ったまま、泣きじゃくる私の頭を優しく触る。


どうして?


どうして、いつも太郎は、私に優しく接するの?


幼なじみだから?


小さい時から、ずっと一緒に居た存在。

気づけば、いつも隣に居て、私の傍に居るんだ。


でも、お互いの心には、『愛情』や『恋愛』という言葉はなかった。


でも、…ね?


私の心が悲鳴を上げ始めたら、太郎はいつも傍に居るんだ。


不思議なくらいに。