俺は今日も彼女に聞く。

返ってくる返事は分かってるけど…

「ねぇ、俺のドコが好きなの?」

「う〜ん…わかんない。でも、好きだよ?」

やっぱり…

今日もソレなんだね。

わかんないって何?

本当は好きじゃないの?

それとも具体的に好きだと言えるような所がない?

だとしたら

"全部好き"

だと言ってくれたら

俺の不安も消えるのに…

わかんない

と言われる度に

不安はつのっていく。

でも、今日は違ったんだ。

背を向けて座っている俺に彼女が言った。

「あなただから好きなんだよ?」

俺だから…好き?

他の誰でもなく


"俺"


だから好き…?

だからって言葉が

妙に嬉しくて

拗ねていたはずなのに

無性に恥ずかしくなった。

俺の後ろにいる彼女に

真っ赤になった耳を

見られたのは間違いない。




"俺だから"




それが彼女の

好きの理由。



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