声が出なくなった理由も何も聞いてこないお母さん。 卒業式、泣いていたあたし。 「中学校でも会えるんだから泣かないの!」 目のまわりを真っ赤にしたお母さんはあたしにそう言った。 あたしは泣かなかった。 卒業することには泣かなかった。 ただ、レイが人のものになってしまったこと。 それは、レイから望んだこと。 『未来・・俺と付き合って。』 レイから、望んだことだった。