*** ジリリリと意識のどこか遠くで目覚まし時計が鳴っている。 ああ、もう朝か。 早く起きなくちゃ。 あれ、何だかくすぐったい。 頬っぺたの辺りがふさふさする。 気持ちいいー。 むにゃむにゃ。 てか私抱き枕なんて買ったけ? ……いや、違う。 抱き枕じゃない。 これは、この感触は…… ……猫耳。 「っ…………!!!!」 ぎゃーっ、という乙女にはあるまじき雄叫びが朝の楠家に響き渡った。