ミチさんに夕食はいらないと伝え、勢いに任せ駆けてきた。


ハァハァっ・・


まずは息を整えた。


それから周りを見渡した。

・・まだ来てない。


時計を見ると6時10分前。


ベンチに座り先生を待った。



少し明るめの空。


オレンジ色に染まった空が僕を包み込む。



「遅いなぁ」


時計を見ると6時を過ぎていた。



先生は来ない。



立ち上がって周りを見渡しても、先生の姿はどこにも見えない。


時計を見ては公園を見渡す。

それの繰り返しをしていた。


午後7時。


約束から1時間が過ぎた。



―もう、来ない・・。


そんな事が頭によぎった。




その時だ。


遠くから声がした。





「ごめん。もう居ないかと思ったわっ」


息を切らせ僕のところに駆けてきた。


「俺こそ、もう先生は来ないかと思った」


「ごめんね。急に会議になっちゃって・・」


「メールぐらいしてくれればよかったのに」


しかたないか・・。


僕が強引に誘ったのだから。



「私服だね」


先生は僕を見て言った。


「うん。制服だと先生に迷惑かけるだろ?」


「そうね」


先生はなぜか笑った。