秘密の保健室

少しの間先生の背中見つめていたけど、まだ何かに期待している自分に気づいて空しくなったのでやめた。


しかたなく重い腰を上げて部活に行くことにした。


それでも先生と同じ空間にとどまっていたくて、思いつくものを口に出しながらゆっくりゆっくりドアへと近寄る。

 
「先生さっき経験者だとか言ってましたけど、先生ってコンタクトするときあるんですか?」


「ああ大学のとき一時期してたけど金がかかるからやめたよ」


「ふーん。でも先生は眼鏡かけてないほうがかっこいいと思うんだけどなぁ」


「ふん、そりゃどうも」
 

まったく、先生はつくづくつれない男だよね。


もうちょっと嬉しそうにしてもいいのに。