あたしが急いで隼人の元に向かうと、ヤツは悲惨な状態と化しているリビングで突っ立っていた。
…そりゃそうか。
テレビからは隼人のスキャンダルが報道されてるし、さっき買った週刊誌は床に散らばってるし。
時既に遅し、だ。
「藍果…」
隼人は申し訳なさそうにあたしを見る。
その表情は、胸が痛くなるほどに切なくて。
「あのな、藍果―――」
「もう、いいよ」
無意識にあたしの口からは、そんな言葉が出ていた。
隼人も驚いて目を見開いている。
そんな隼人に対して、あたしは元気なく笑った。
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