いくらキツく耳を塞いでも聞こえてくるアナウンサーの声。




「なんなのよおっ…」




いつもはこんな気持ちになったりしない。


「俳優なんだからしょうがない」、そう思えていたはずなのに…。




「は…隼人ぉ…!」




なんでかな?

今回はもう、無理みたい。



知らず知らずの内に我慢してたのかな。


…あたしの気持ち。




悲しみの渦に巻き込まれる中、玄関からこの雰囲気に合わないような、明るいチャイム音が鳴り響いた。




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