不安がいっぱいあった。
このまま愛してしまっていいのだろうか…自分の中に引き入れてしまってはいけない気がした。
それでも眠る横顔を見るとその時だけは自分でいられると思った。

「また寝ちゃったね」

目を覚ますと必ずこう言ってきた。

「一緒にいると安心しきって眠っちゃうの」

安心感…それが不思議だった。どこが安心するのだろう?過去を引きずってきた自分に問い掛ける。

「どんな過去だって今は私といる」

「私は今が安心するから」

そう言って寄り添うように眠りについた。

自分はいつまでこうしていられるか…また同じように傷つけてしまうのだろうか…

今思えばそれも過去になる日がくるのだけど、その時はただ側にいる時間が愛しく離したくなかった。