「なあ、ソロ、やろっか」
「んー、どこで?」
「ミナミで」
「マジか」
「マジ」
「じゃあ、新しい曲つくるし」
「さっすが。ハヤトは来年やらねーっつったしな」
「ああ、最後のライブだよ」

 「Rolly」、これが俺らのバンド名だった。持ち歌は二つ。ロリィとタロー作の唄。

「タロー。俺、やるなら、カンペキなのやりてー。ずっと暖めてきたヤツがやりてーんだ」
「あー例のピーナッツバターの唄?」
「うん」
「いいよ、やろうぜ」