いつもの1ページ

案の定、翔くんはたくさんのアルバムと一緒にホールの隅に座っていた。

「あたしの卒アル知らない?」

「ここにある」

へらっと笑う翔くん。

このヘラヘラ笑いに世の女性は騙されちゃうんだ。

「探したんだけど」

「俺を?」

「はあ?
あたしの卒アルを!!」

「まあ、ここに座んなよ」

穏やかに命令形。

この使い方が上手いから、誰にも妬まれずリーダーになれちゃうんだ。

これからみんなと写真撮る約束してるのになぁと思いつつ、あたしは翔くんの前に座った。

「あたしのはいつ書き終わるの?」

「志穂ちゃんのは最後だよ」

翔くんはあたしを『志穂ちゃん』って馴れ馴れしく呼ぶ。

クラスがえで初めて会った時から、ずっと。

最初はすごく、嫌だった。