教室のざわつき方は半端じゃなかった。

みんなアルバム回したり写真撮ったりするのに大忙し。

それに便乗して、遅刻扱いをうやむやにするあたしと雅美。

「卒アル書いてー!!」

教室に入るや否や目の前に積まれるアルバムの山。

あたしはこっそり男子の様子も伺った。

やっぱり同じようにアルバムの山と写真と戦ってる。

中でも、翔くんは大人気。

クラスの子だけじゃなくて、他クラスの子もいっぱい彼に頼みに来ていた。

人気者はツラいね。

あたしは遠巻きにその輪を見守っていた。



「おい、おまえら、俺たちのにも書いてくれよ」

「いいよー。
じゃあ、あたしのも見つけたら書いといて」

「あ、さっき勝手に書いた」

すでに、みんな自分のアルバムがどこにあるか分からない状況。