いつもの1ページ

「俺、良いこと言うだろ?」

「普通」

このやり取り、よくやってた。

クラスの話し合いの時に、翔くんがたまに良いこと言って、クラスをまとめる。

その時こっそり『俺、良いこと言うだろ』って言ってくるから、あたしは『普通』って返す。

このやり取りもいつか思い出になっちゃうんだ。

やっぱり、寂しい。



あたしたちがアルバムを持って走り回る理由がそこにある気がした。

思い出を切り取って、忘れないように――思い出せるように、言葉を紡ぐ。



さあ、本気で困った。

翔くんのアルバムに何て書こう。



言いたいことは決まってる。

本当は、ずっと前から。

だけど、他の人も見るかもしれない。

それに、思い出ってスパイスを加えたい。