いつもの1ページ

「今までは会ってしゃべって騒いでそれが普通だったのに、できなくなる。
いつものことが『いつも』じゃなくなる瞬間は、誰だって寂しいんだよ」

「……なんか今日、翔くん見直した」

翔くんのヘラヘラ笑いが少しだけ、格好良く見えた。

「流行ったものとか、仲間内のネタとか、忘れちゃうのが寂しい」

だって、中学生の頃のことなんてほとんど忘れちゃってる。

だからきっと、この高校生活もいつか忘れちゃう。

「忘れてることが普通になってる日常が寂しい、だろ?」

「うん」

その通りなんだ。

思い出になるのが、寂しいんだもん。