いつもの1ページ

「これ、翔くんから」

あたしは教室の女子の塊の真ん中にアルバムをドスンッと置いた。

「アイツすぐどっか消えちゃうんだからー」

そう、翔くんはすぐ2階のホールに行っちゃう。

「翔どこにいた?」

「適当に校内ウロウロしてるみたい」

なんとなく、本当のことは教えたくなかった。

「アイツホントに自由人だねー」

本当に。
ムカつくくらい自分勝手なのに人気者。

猫かぶりマンのくせにって心の中で毒づいた。



「んで、あんたの卒アルはあったの?」

「あった。
翔くんが勝手に持ってた」

ブスッと答えたあたしに雅美は楽しそうに笑った。

「最後まで奴は志穂困らせてるね」

「笑い事じゃないよ」

そんな会話をしながら、あたしと雅美は写真のために校内を駆け抜けたんだ。