いつもの1ページ

「ていうか、頼んでないから返して」

ま、頼むつもりだったけどさ。

「いいじゃん。
どうせ思い出―!!なんて騒いで閉門時間まで残ってんでしょ」

図星。

「じゃあ一回教室戻るから、それまでにあたしの書いといてね」

「あ、これみんなに返しといて」

翔くんは書き終わったアルバムをあたしにドンって手渡した。

自分で返せばいいのに、女子の相手は面倒くさいと思ってんだ、こいつは。

習い性って怖い。

1年間も翔くんがクラス委員長、あたしが副委員長って関係だったから、仕事渡されると無条件に引き受けちゃう。

「分かったから、ちゃんと書いといてよ!!」

「へいへい」

この返事の時は大抵分かってないんだ。

まあいいや、今は早く雅美たちと写真撮りに行かなきゃ。