「あ、あの…蓮井サンのいちばん好きな花ってなんですか?」
「僕ですか?」
一瞬きょとんとした蓮井サンは
考えるようにえりあしの辺りを掻く。
「花の名前はよく分からないけど
…そうだなぁ
…強いて言えば、――ヒマワリかな」
「ヒマワリ?」
蓮井サンはトラックの側面に描かれた
会社のマスコットに手を触れる。
「ほら、こいつに何となく似てるでしょ? ヒマワリって」
まるで蓮井サンの笑顔のような
太陽が笑っている
蓮井サンの会社のマスコットキャラクター。
「これも会社愛ってヤツ?」
ニカっといたずらっぽく笑って
蓮井サンはトラックの側面に描かれたキャラクターを愛おしげになでなでする。
「じゃあそろそろ僕、仕事に戻りますね」
蓮井サンが片手をあげる。
あ…
運転席に向かうその背中に向かって
あたしは思わず叫んだ。
「あたしも大好きです! ヒマワリの花!!」
思いのほか大きかったあたしの声に
目を丸くして振り返った蓮井サンに
勇気を振り絞ってこう続けた。
「ヒマワリみたいな笑顔の蓮井サンは、もっと好きです。
大好きです!
お仕事頑張って下さい!!」

![Eternal Triangle‐最上の上司×最上の部下‐[後編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.807/img/book/genre1.png)