飛翔-KODOU-

誰も居なくなった静かな家の中で、どうやら俺はまた眠りこんでしまったらしく、目が覚めて時計を見たら昼を回っていた。自分の部屋のベッドにいつの間にか移動していたが記憶がない。煙草に火を点けて物思いに耽っていると、隣の利芳の部屋から物音がする。どうやらサボって帰ってきたらしい。

『ただいま』

案の定、利芳がドアの影から声をかけてきた。

『サボリ??』

『うん、数学嫌いやからね』

不敵に笑っている。

『せやで、お前頭悪いんじゃ』

俺も冗談めかして返してやると、一瞬不機嫌な顔をしてから、また満面の笑みに変わり夕飯の買い物に行ってしまった。