高校一年の夏休み。

私はじーちゃんの家で過ごすことになった。


今年は妹の京香の中学受験があるから、私は邪魔らしい。


というより、あの家の中で私の存在は邪魔者以外のなんでもないらしい。


頭のいい兄と妹。

常に学年トップの常連になっている二人に比べ、私はいつでも下から数えたほうが早い。


というより、ワースト10に常に入っているほどの馬鹿だ。



だから、家族に邪魔者扱いされても、仕方ないのかもしれない。







小学生のときからそうだった。


30点や40点が当たり前で、50点以上なんてめったにとれない。


そのたびにお母さんに怒られて、物置に閉じ込められたりもした。


お兄ちゃんや京香にこっそりケーキなんかを買ってきてあげていたことも知っていた。


あの頃は悲しかったけど、今思えばそんなに珍しいことじゃなかったと思う。


こんな風に親に言われている子どもなんて日本中に溢れるほどいるだろうし、暴力奮われなかっただけましだと思う。


そう思うようになってからは、夜悲しくて一人で泣くこともなくなった。


高校にも通わせて貰ってるし、逆にこんな出来損ないな私が学校に通わせて貰えるだけでも感謝しなきゃ。