「さ、じゃあ行きましょうか。」


葉子は弾むような口ぶりで、和葉の肩を叩いた。


葉子の明るさに、和葉は少し元気を取り戻したようだった。




二人は、学校指定の学制服の店に向かった。


制服が出来るまでに、1週間かかるらしい。それでも必要な物なので注文をした。来週取りに来る事を伝えると、二人は店を出た。


「やっぱりすぐには出来上がらないかぁ。」


和葉は、小さな体をより小さくして、落ち込んだ。


しかし、葉子には考えがあった。


葉子は、一度和葉を家に帰すと、夕方には和葉に制服を届けた。


制服は、葉子の幼なじみの姉の物だった。和葉には少しサイズが大きいが、無いよりはマシだろう。


こうして翌日の始業式も、和葉は無事に制服で過ごせる事となった。