爆走ハラスメント〜ツンデレ生徒会と硬派な王子達

1試合が終わり、出場選手のテーマソングが場内に響き渡る。その曲の中、勝利した選手は、晴れやかに退場しようとしていた。


「おっかしいなぁ。」


《STTFF》カードを身につけている秀一が、選手控え室から戻ってきた。


秀一は道場のビデオ係なのだが、テープが無くなりそうなので、取りに行っていた。


ついでに太陽を探したのだが、どこにも太陽は居なかった。


「お兄ちゃん、何してんのかしら。私、ちょっと探してくる。」


「え?うそ!じゃあ私も行く!」


和葉も葉子に付いていこうとする。


「ちょっ。待てって。俺も行くから。」


秀一は隣にいた生徒に、引き続きビデオを任せると、二人の後を追った。




「あんなバカみたいに目立つ格好して、なんで見つからないのかしら。」


「全くだよ。」


三人は会場周りを歩いていた。


「秀一!」


後ろから声を掛ける者がいた。