爆走ハラスメント〜ツンデレ生徒会と硬派な王子達

場所は先輩の家。葉子は夏休みの宿題を教えてもらいに来ていた。


遅れてやって来た秀一が、ノックをせず部屋に入った為、2人の唇は重なったままであった。


実はその時、ショックを受けていたのは秀一だけだった。葉子はアメリカ式の挨拶だと思っていた。ファーストキスを奪われたと言う自覚はない。


だが中2になった、なんて事ない平凡なある日 気付いてしまったのだ。


あの言葉の意味を。そして貞操の危機だった事も。すぐに秀一に相談した。


「覚えてないかもしれないけど、去年の夏に私がキスされた事覚えてる?」


忘れるはずがなかった。秀一が小声で「覚えてる。」と言うと、葉子はキスをされる事になった背景を話しだした。


「それって、Hしようって事だと思う?」


「そうだよ。他に何があるんだよ。」


秀一のキツイ口調に、葉子は胸を貫かれた気がした。同時に理解し、恐くなった。

葉子の目から1粒の涙が流れ落ちた。秀一は妙に冷静にその涙を見つめていた。


「最低…。」


葉子は拳を強く握り締めて、体を震わせ泣いた。


秀一は胸が締め付けられたが、まだ13才。どうして良いのか分からない。