―――それは、もう何十年も前から言い伝えられてきた、“カノジョ”の伝説。 今からずっと昔、といっても江戸時代や明治時代というわけではないが、 それなりに昔、――そう、昭和が終わるくらいの頃、 その町には、ひどい浮気症の男と交際する、1人の美少女がいた。 男の女癖が悪いことは少女もそして町の人も知っていて、 知りながらも、2人の親は、男と少女を婚約させていた。 婚約者がいるからといって男が女遊びをやめるはずもなく、 彼は毎日のように遊ぶ相手をとっかえひっかえしていた。