「あとさ、よくはるかが高野に抱きついたりしてたじゃん？」
「うん……。」
今となると恥ずかしい……。
「あのときの高野の焦りようはハンパなかったもんね。」
「顔なんてタコみたいに真っ赤なの。」そう言って久美がケラケラ笑った。
笑い事じゃないよう……
私がうつむいていると、
「まぁ、ゆっくり考えればいいんじゃない？」
「え？」
「期限なんかないんだからさ。自分の気持ちがはっきりしたときに、高野に返事すればいいと思うよ。」
……そうだよね。
まだ佐野くんへの想いもまだはっきりしてないし……
ゆっくり考えればいいんだよね？
「ありがとう、久美！」
「どういたしまして♪」
久美に相談してよかったぁ…。
ちょっとだけ気持ちが安らいだ。
