私は突然のキスに抵抗もできないまま


ただただ固まっていた。


そして……


やがて離れた唇。



「っ……!」



私は我にかえり、気がついたら高野を突き飛ばしていた。


なぜか涙が溢れる。






「僕は…先輩にキスしたこと後悔してませんから。」





「さようなら」そう言って高野はさって言った。



「ふっ……」



高野が去っていったあと、


私は泣き崩れてしまった。



突然の告白。



突然のキス。



なにもかもに驚いて、動揺して……



そして




『俺のこと好きになれよ。』




あのことば………。


はじめて私に敬語を使わなかった。




なんで涙がでるの?



高野にキスされたことが嫌だったんじゃないはず。


じゃあなんで………?





私はその日一睡もすることができなかった。