数分の時間が 何時間にも 何十時間にも感じられる 心臓の鼓動がいつもより早く打たれ 顔が高揚し 息が荒くなる ふと垣間見えた湊の横顔は ぞっとするほど無表情で 心臓がギュッと強く締め付けられた やがて彼は一冊の本から一枚紙を破り それをポケットに入れ 静かにこの部屋を後にした