「ねぇ、湊。 湊は生まれ変わったら何になりたい?」 「生まれ変わったら?」 「うん。」 少しの沈黙の後に 彼は穏やかな口調でゆっくりとこう述べた 「人を恨むことのない人生を送りたいな」 「え?」 「平凡で… 大切な人の笑顔がすぐ傍にあって… こことは無関係の人。」 一瞬 湊がすごく遠い存在に思えて 懐かしそうな湊の表情に 何となく不安になったけれど すぐに何もなかったように、笑顔に戻った彼を見て 少し安心する自分がいた 「悠里は? 生まれ変わったら何になりたいの?」