数秒前まで私を嘲笑っていた男は 肉の破片へと化していた 「だから言ったじゃん。 終わったのはあんただって…」 あの時 あいつが私の腕にナイフを刺した瞬間 右ポケットに挿入した小型爆弾 小さい割に 人一人殺傷する能力は十分に備わっていた 全てを使いきった私に 立ち上がる気力はもう残っていない 目の前は炎の渦 建物が火に巻き込まれるのは時間の問題だった 心配なのは湊のこと 未だに続いている撃ち合いを横目で見る 相手も湊も互角に渡り合い 状況は全く変化を見せる気配もない