数時間前までは明るい笑顔を振りまいていた仲間

十数年間という時を一緒に生きた者同士


彼は今どうしているのか

そんなことさえ今の私には分からない


身体を無理矢理起こそうとすると

右腕に激しい痛みを感じた


崖の上から落ちた時に折れてしまったのだろう

どんなに必死に動かしても微動だにしないことが、良い証拠だった


それでもどうにかして近くにある木に寄りかかり、立ち上がると

周りの風景が一瞬にして広がる



そこに広がっていた景色は

自分が予想していたよりも、数倍ひどいものだったかもしれない



痛む右手を支え

足を引きずりながら

私はその景色へと足を踏み入れた