「…何?」
私の返事を聞き、安心したのか
彼はようやく手の力を抜き
優しい目で私を見つめる
「俺さ…
悠里と会えてよかった。
本当によかった。」
「……湊」
「どんなに苦しくても…
後悔しても…
悠里がいてくれたから…
だからここまで生きてこられたんだ…。
俺素直じゃないし…
口ベタだし…
でも毎晩…こっそり二人で訓練したことも…
ペア組んで一緒に仕事したことも…
今となっちゃ…すげー良い思い出なんだ。
ここに来て…
知りたくないことも…たくさん知ったし…
悠里のことも…
今となっちゃ後悔だらけだけどさ…
本当は欲を言えばもっと…
もっと普通に出会えてたら…
俺達すげー良い友達になれてただろーなーって…
思うんだよ。」
涙が溢れて
湊が霞んで見える
どうして…
どうして今そんなこと言うの…
それじゃぁまるで
もう湊が私の前からいなくなるみたいじゃない



