私の言葉に
湊は何も答えなかった
代わりに腰から短刀を取り出し
じっと私を見る
お互い
どちらか一方が死ぬことは分かっていた
「最後に何か言いたいことは?」
私から湊への最後のメッセージ
「俺…
悠里とペアになれて本当よかったと思ってる。
あんな風に一瞬でも昔のことを忘れさせてくれた悠里に感謝してるんだ。
だからさ…
今度会った時はもっと普通に…
普通の友達として。
話せるといいな」
精一杯だった
これが私と湊の限界点
苦しみも
悲しみも
寂しさも
後悔も
全て分かってる
分かってるからこそ
全て終わらせなければならないんだ
「じゃぁ始めようか」



