言葉を失う


予想はしていたけど

何もかもが

消えていく泡のように

儚く

脆い



もはや彼に何を言えばいいのか

どのような行動をとればいいのか

私には分からない



口を開こうとすると

乾いた口が言葉を押し戻すように空気と同化し

まるで今の私は間抜けな金魚のよう




「湊…
私…」


やっと言葉を発したのと同じタイミングだった



外で大きな爆発音が聞こえる

それと同時に建物が大きく揺れた


目の前の景色が激しく揺れ

一瞬で建物が崩壊する