目の前が真っ暗になった
「…え?」
「当時総裁だった父はとても優しかったし、母も美しかった。
生まれた時から俺の将来は決まっていたけれど、何の不満もなかったんだ。
幸せだった、とても。
それなのに…
あの日…
全てが崩された。
一瞬で…
東国は消滅したんだ」
胸が
全身が震えている
「俺はあの日
東国にはいなかったんだ。
帰ってきた時には、もう国はなかった。
ただの焼け野原に、無数の死体。
今思い出しても恐ろしい光景だよ…
父も母も、兄弟も、友達も…
全員跡形もなく消されてた。
俺さ、あの日誓ったんだ。
絶対に復讐してやるって。
犯人見つけ出してこの手で殺してやるって」



