「何で?
どうしてこんなこと…」
「別にこいつらが死んでも何も変わんねぇだろ。
結局…
結局手を下すのはいつも俺たちだ。
こいつらは口先ばっかで…
いつもいつも苦しい思いしてんのは俺達だろ!?」
声を荒げる湊に
恐怖にも近い
そんな苦しみが私を支配する
「悠里はさ、何で俺が途中からここに来たか分かる?」
ふと何年も前の湊の姿が目に浮かぶ
今と変わらない目つきで
誰も寄せつけようとはしない陰の雰囲気
私はゆっくりと首を振り湊にNOの合図を出した
「ちょうど11年前。
俺は汰国のネバーランドに入隊した。
何としても
どんなに苦労しても、俺はここに入らなきゃいけない理由があったから」



