Black Light


そっと優しく背中に回された腕


警告音が大きくなるにつれ

彼の腕の力も強くなった



「湊…
もう行かなくちゃ…」


きっと何か緊急事態が起こったに違いない

普段ならすぐに収まる警告音が


今日は何分もの間ずっと鳴り続けている



「…ごめん」



目の前には湊の顔


目と目が合う


ほんの数秒という時間



それでも今は何十秒にも感じてしまう