Black Light


すぐに去っていく足音


あまりに大きい警告音が唯一の救いだった

いつもより鳴り響く鼓動も

息も

何もかも


その音によって隠されていたから



「もう行ったんじゃない?」



早くこの状況から逃れたくて

身体をよじるけど

中々ほどけない湊の腕



「…湊。
もうだいじょう・・・





言葉が出なかった


綺麗な青い瞳から


流れ出す滴




私は目の前で涙を流す湊を見て



何も言うことができなかった